第1章 急に動物化 前篇
(わたし・・・・何やったの?)
昨日は特に変わったことはなかったはずだ。
いつものように蜘蛛のみんなと財宝を盗み、いつものように夜には祝杯という名のドンチャン騒ぎ、そして自室で寝たはずだ・・・・。
なんら変わらない日常のはずだったが・・・・
今、洗面台の前に居るクリスの体には真っ白の猫耳と尻尾の生えていた。
「なんで私の体に耳としっぽが生えてんのよ!!」
クリスは大絶叫した。その瞬間耳と尻尾はピンっと立ちあがりまるで生きているようである。
(しかもコレって動くのね・・・。 とりあえず、どうしよう・・・今アジトにいるのは、パクとウヴォー、フェイ、シャル、クロロか・・・・ )
一生懸命唸りながら誰に相談しようかと思案するクリス。
想像される今後の予想は
パク:間違いなく着せ替え人形にされるわね
ウヴォー:あんな単純馬鹿に相談して、この現状が打破できるわけがないわ
フェイ:人体実験されるのよね・・・そうとしか考えらんないわ!!
シャル:ん?シャルならこの耳と尻尾の情報知ってるかも、ってか知らなくても調べてもらえるかも(それ相応の報酬は要求されるとは思うけど)
目下の相談相手は確定したわ・・・・とりあえず、クロロにだけは絶対ばれないようにしなきゃ。
クロロにだけは・・・・
元々私が蜘蛛に入ったのは、財宝の警護にあたっていたところ蜘蛛に襲われたことが始まりだった。
あまりに奇麗な団長の盗む姿に心奪われ、気がつけば入団希望していたのだ。
私は何でも屋として生計を立てていたので、相応の報酬があれば、盗みでも殺しでも情報集めでも何でもこなしていた。
自分で言うのもなんだが、奇麗な顔立ちに、珍しい灰色の髪に、吸い込まれそうな紅い瞳、パク姉まではいかないまでも、スタイルは良い方だった。
仕事内容も100%こなして、この容貌なため、クリス=ハートの名前はそこそこ広まっていたとは思う。
そんな私が蜘蛛に入団希望を出したのだから、最初は疑われた。
そりゃ、私だって逆の立場だったら同じ考えに行きつくだろうと思うし、活動に力を貸していればそのうち信じてもらえると信じていた。
だがしかし、入団して半年のうちに団長から求愛されると誰が想像していただろうか・・・・