• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第16章 雄英文化祭編


そのとき。
おもちの歌声が、再び高く舞い上がった。
会場の熱気が、最高潮に達する。

彼女自身も、その盛り上がりを肌で感じていた。
歓声。

手拍子。

仲間たちの奏でる音。

そして、エリの心から楽しそうな笑顔。

すべてが混ざり合い、身体の奥から熱が湧き上がってくる。




もっと歌いたい。
もっと、この場にいる人たちを楽しませたい。
もっと、この瞬間を味わっていたい。

そんな気持ちが、自然と喉の奥を震わせた。
次のフレーズへ向けて、彼女は息を吸い込む。


そして。
思い切り声を解き放った。

「――――♪」
高く。
鋭く。
透き通るように伸びていく音。
それは、これまでの歌声とは明らかに違っていた。


まるで、空気そのものを切り裂くような、突き抜ける高音。


人間の声とは思えないほど澄んだ響きが、会場の天井へと駆け上がっていく。



ホイッスルボイス。



彼女自身、狙って出したわけではなかった。
ただ、気持ちが高まって。
音楽に夢中になって。
もっと高く、もっと自由に声を響かせたいと願った、その瞬間。

声が、そこまで届いてしまったのだ。

「…………え?」

音を出し終えたおもち自身が、わずかに目を見開いた。

――今の、私?
ほんの一瞬、歌いながらも驚きが顔に滲む。


けれど、演奏は止まらない。

彼女はすぐに気持ちを切り替え、最後まで歌い切る。
その声が消えた瞬間、会場は一拍、静まり返った。


誰もが息を呑んでいた。


そして、次の瞬間。


「うわああああああああっ!!」

地鳴りのような歓声が、会場を揺らした。
拍手が響き渡り、観客たちが立ち上がる。


「今の何!?ホイッスルボイス!?」


「すごすぎる!!」


「鳥肌やばい!!」


「もう一回!もう一回聴きたい!!」

/ 818ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp