第5章 小糠雨
——初めての授業が終わった。
『ふぅ……』
パンダさんにお礼をいい、一息ついていると、真希さんが声を掛けてきた。
「なぁ、お前なんでここに来た?」
『え……?』
「ここは呪いを祓う場所だ。お前、なんの力も持ってないだろ」
あぁ、なるほど。そういうことか。
『そうですね。確かに私は術式を持っていないですし、禪院さんのように、呪具で戦う術もありません。ただの一般人です』
「私を名字で呼ぶな」
『あ…すみません』
名字が嫌いなのかな……
「ここは一般人が来ていい場所じゃねぇよ」
『そうですよね……すみません』
「いちいち謝んなよ」
私がそう答えると、どこか冷たく言い放って、真希さんはそのまま教室から出ていってしまった。
怒らせてしまった。
そう思い落ち込んでいるとパンダさんと狗巻さん、そして乙骨さんが声を掛けてくれた。
「まぁ……あんま気にするな。分かりにくいが、あれは真希なりの優しさなんだよ」
『でも……』
「パンダくんの言う通りだよ。真希さん言い方はキツイけど五月雨さんのこと心配してるんだよ」
「しゃけしゃけ」
『皆さん……ありがとうございます…!』
優しいな——。
温かい励ましの言葉に、思わず胸の奥が熱くなった。だけど、それと同時に、ズキリと重い罪悪感が湧いてくる。
このまま黙っていていいのだろうか——と。
そう思っていると真希さんが帰ってきた。