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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第17章 腕枕


「……」

「ん?」

「手は、そのままでいい」

「え?」

見ると、私の手が脹相の髪に触れたまま止まっている。

「……そのほうが落ち着く」

「……分かった」

もう一度、ゆっくり髪を撫でる。
すると脹相は、気持ちよさそうに目を閉じた。

「……こうしていると」

「うん?」

「お前に大切にされている気がする」

その言葉に、胸がきゅっとなる。

「大切にしてるよ」

「……ああ」

脹相は目を閉じたまま、小さく笑った。

「知っている」

しばらく、静かな時間が流れる。

脹相の重みが腕に伝わる。

髪を撫でるたびに、少しずつ身体の力が抜けていく。

いつもは自分を守ってくれる脹相。
そんな彼が今は、自分の腕の中で安心している。

それが嬉しくて、愛おしくて。
もう一度、そっと髪を撫でた。

脹相は目を閉じたまま、少しだけ笑っていた。
少しだけ顔をこちらへ寄せる。

「おやすみ、脹相」

「……おやすみ」

私の腕を枕にしたまま、脹相は目を閉じる。

けれど、眠りに落ちる直前、
私の服の裾を、指先でそっと掴んだ。

離れたくないと言われているようで
その小さな仕草だけで、また胸が高鳴った。

いつもは脹相に甘えているけれど
今夜だけは、私の腕の中で彼が安心して眠る。

ただそれだけなのに
恋人になったばかりの私たちには、それがたまらなく特別だった。
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