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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第14章 膝にかけた上着


「……そういうことだったのか」

恵に対して感じていた、わずかなもやもや。

それも今は、ほとんど消えていた。

脹相は三つ並んだ椅子の隣にもう一つ椅子を置き、そこへ腰を下ろす。

「……今日は動かさないでおこう」

私の髪にそっと触れる。

「これだけ疲れているんだ。起こすのも可哀想だ」

私の手に、自分の手を重ねる。

「ここにいる」

眠ったままの私の指が、ほんの少し動く。

脹相の指を握るように、かすかに触れた。

「……」

脹相の表情が柔らかくなる。

そのまま、手を握り返す。

「起きるまで待つさ」

足元には、恵の上着。

「これは明日、返せばいい」

そう呟いて、脹相はもう一度私の髪を優しく撫でた。

「今は、ゆっくり寝ていろ」

そうして脹相は、私を動かさず、目を覚ますまで静かに隣にいることにした。
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