第9章 一緒に寝たいけど沢山したくなる
「……これで最後にする」
そう言ったのは何度目だっただろう。
けれど、最後にすると言うたびに、名残惜しそうな顔をする。
「……脹相」
「なんだ」
「本当に最後?」
「……ああ」
少し考えてから。
「……あと三回だけ」
「三回?」
「ああ」
脹相は私を見つめる。
「……もう少しだけ、したい」
「うん」
一度目。
今までよりもゆっくりと顔を近づけて唇を重ねるがすぐには離れない。
静かな部屋の中で、その温かさをゆっくり感じる。やがて離れる。
「…………」
脹相が私を見つめる。
「……長かったか?」
「ううん」
「……そうか」
少し安心したように笑う。
二度目。今度はさっきより少し長く。
離れたあとも、脹相はすぐには距離を取らなかった。
「……あと一回だな」
「うん」
「……最後だと思うと、惜しくなる」
私はそっと彼の手を握る。
「じゃあ、ゆっくりでいいよ」
脹相が少しだけ目を細める。
そして三度目。
ゆっくりと顔を近づける。
一度だけ目を合わせて、そっと唇を重ねる。
今までで一番長く、静かなキス。
離れた後も脹相は目を閉じたまま、小さく息を吐いた。