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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第60章 ハロウィン〜朝の妄想


高専に着くと、私は持ってきたお菓子を一人ずつ配っていった。

「はい、ハッピーハロウィン!」

「ありがとう!」

「わあ、手作り?」

「そうだよ。よかったら食べてね」

皆が嬉しそうに受け取ってくれるのを見て、私も自然と笑顔になる。
その隣では、脹相が少し離れたところからその様子を眺めていた。

自分が朝にもらったものと同じ袋を、そっと手の中で確認する。

やはり、これは嬉しい。

そんなことを考えていると。

「トリックオアトリート」

聞き慣れた、やけに明るい声がした。

「僕の分は?」

「五条さん!」

振り返ると、そこにはいつもの調子で笑っている五条さんが立っていた。

「もちろんあるよ」

私はすぐに用意していた袋を取り出す。

「はい。五条さんの分」

「やった」

五条さんは受け取った袋を持ち上げて、満足そうに眺める。

「さすが僕のこと分かってるね」

「ちゃんと人数分用意してきたからね」

「ふーん」

五条は楽しそうに笑ったあと、ふと脹相の方を見る。

「ところで脹相は?」

「?」

「もうもらったの?」

「ああ」

脹相は短く答える。

「朝、もらった」

「へえ。もう済ませちゃったんだ」

五条は少し残念そうな顔をした。

「でもさぁ」

口元をにやりと歪める。

「がお菓子用意する前に、トリックオアトリートって言っちゃえば――」

五条の視線が脹相へ向く。

「脹相、この子にイタズラしてもよかったのにね?」

「…………」

その声にピタリと脹相の動きが止まった。
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