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②呪術廻戦〜脹相と恋人〜

第51章 3日間の我慢〜夜


「嫌だった?」

「……逆だ」

小さな声。

「嬉しすぎて困っている」

その言葉に、私まで少し照れる。

「じゃあ……して?」

しばらく脹相は私を見つめていた。
やがて、ゆっくりと手を伸ばすと私の頬に手を添えた。

「……今度は、夢じゃないからな」

「うん」

「ちゃんと、お前がここにいる」

「うん」

「……後悔するなよ」

「しないよ」

そう答えると、脹相は少しだけ目を細めた。
そして、ゆっくり顔を近づける。

唇が触れる。

朝とは違う。
今度はちゃんと目を覚ましていて
私が望んだことを分かっている。

それでも、どこか三日間の我慢が滲んでいるようなキス。

一度離れて脹相が私を見る。

「……これでいいか?」

私は少し笑った。

「うん。でも――」

「……?」

「舌…」

「…………」

脹相が固まる。

そして、深く息を吐いた。

「……本当に、お前は……」

呆れたような声なのに、顔は嬉しそうだった。

「三日間の俺の我慢を、全部無駄にするつもりか」

「無駄じゃないよ」

「……?」

「我慢したから、今こんなに嬉しいんでしょ?」

脹相は何も言えなくなる。

しばらくして、私の額に自分の額をそっと合わせた。

「……敵わないな」

「ふふ」

「もう一度だけだ」

「うん」

「……本当に一度だけだからな」

そう言いながら。

脹相の腕は、私を抱き寄せていた。

そしてその夜。

三日間ずっと夢の中で追いかけていた私が、ちゃんと隣にいることを確かめるように。

脹相は何度も私を抱きしめた。
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