第44章 留守番
が任務や用事で家を空けている日。
脹相は一人でリビングにいた。
時計を見る。
「……まだか」
出かけてから、まだそれほど時間は経っていない。
帰ってくる時間も分かっているし、危険な任務でもない。
それでも静かだった。
いつもなら、彼女の声がする。
「脹相、お茶いる?」
「これ見て」
「ねえ、聞いて」
そんな何気ない声が、今日は聞こえない。
脹相はしばらく黙っていた。
そして、ふと視線を向ける。
彼女の部屋。
「……」
以前、彼女に言われたことを思い出す。
『私がいない時でも、部屋に入ってていいからね!』
その時は、脹相も頷いただけだった。
「分かった」
そう答えたものの、実際には、入らなかった。
彼女の部屋は、彼女が勉強したり、一人で過ごしたりするための場所であって、そこに自分が入り浸るのは違うと思っていた。
それにあの部屋は、彼女の香りが濃すぎる。
「……」
脹相は少し迷う。
けれど今日はどうしても寂しかった。
「……少しだけなら」
立ち上がり、扉を開ける。