第3章 命がけだからこそ
なに?この状況……
悟とわたしを繋ぐ1mほどの紐がそれぞれの片足に結ばれ、自由を奪われている。
「悟、外して…」
「ヤダ」
「悟、すべて無くすよ…」
「僕から離れるなんて許さない…〇〇〇は僕のモノなんだから」
「わたしの体があればいいの?わたしの心はいらないの?」
「体があれば心もそこにあるでしょ?」
「体はココにあっても心も一緒とは限らないよ」
「……なんで僕から離れようとするのさ…」
「離れようとなんてしてないよ。ただ、自由に過ごしてるだけ」
「いっつも俺をおいてどこかへ行っちゃうじゃん‼︎」
「それは……」
「それは?」
「悟がスイーツコーナーから全っ然、動かないからでしょ‼︎わたしはお肉もお魚もお惣菜も見たいし、買いたいの‼︎」
「だからっておいていくことないじゃんか‼︎」
「声かけてから離れてるよ‼︎『うん〜』っていっつも言ってるじゃん‼︎」
《生返事だから聞いてない……》
「〇〇〇だってスイーツ好きでしょ⁈食べるでしょ⁈」
《そりゃぁ、好きだし食べやるけど…》
「悟……もう終わりにしよう……」
「えっ⁈」
「わたしたち、もう一緒にい…」
「やだやだ、絶対ダメ‼︎」
「100億歩譲って…。自由行動していいなら一緒に行ってあげる。それができないなら悟とはもうデパ地下行かない‼︎」
頬をパンパンに膨らませ口も尖らせて
「〇〇〇が迷子になったらどうするのさっ」
「迷子にならないでしょ?悟の目には光って見えてるんだから」
「あ……」
「ねっ。ほれ、外して」
足を悟へ向けて伸ばす。
渋々ほどき始めたけど
「俺のそばを離れる時はちゃんと目を見て伝えて…」
頭をポンポンして抱き込んでほっぺにちゅっとしながら
「わかった、今度からそうするね」
ぎゅっと抱きしめられ、足首の紐がほどききる前に『このまま組み敷かれちゃうんだろうなぁ』という甘い期待に心が満たされる…