第11章 いつもの様子 ※
―― 零視点 ――
なんだ?今朝の反応は。
どうなってる?
誰だ?
いつもなら照れるか、
照れ隠しでふざけるだろ。
あきらかにいつもと違うのに、本人は全く自覚がない。
酔ってるのか?
いや、酒の匂いはなかった。朝になってもアルコールが抜けていないなんてことはまずない。
それに、酔っていたらテンションが上がると言っていたことがある。
今日のは、かなり穏やかだ。
また記憶が?
いや、それはない。僕のことは誰なのか分かっていた。
もし記憶がないときの状態に戻っていたとしたら、前と同じ反応をしたはずだ。
黙って抱かれるなんてありえない。
今回はあまりにも落ち着いている。
いつもの照れ隠しが高度化して、あれ自体すべてがふざけモードか?
いや、さすがにそれはないな。僕の発言に、微塵も動揺していなかった。
は表面上取り繕うのはうまいが、一瞬の戸惑いさえ感じられなかったのはおかしい。
まさか誰かの変装!?
待て、さすがにそれはまずい。別人を抱いたことに・・・
いや、違う。落ち着け。顔は変えることができても、体型や肌の質感や色までを完全に変えることはできない。
すべてが本人そのものだった。
・・・双子か?
何の冗談だ。そんなはずないだろ。家族関係ももう調べてある。混乱しすぎだ。
ではあの様子はなんだ?
そもそも、いつから・・・
僕が帰ったのは深夜1時ごろ、すでには眠っていたから起こさなかった。
どの時点でいつもと様子が変わったのかがわからない。
昨日の朝は・・・いつも通りだったか・・・?
違和感はなかったが、僕が意識していなかっただけかも知れない。
そういえば名前も“零くん”じゃなく“零”と呼んでいたな。
が僕を呼び捨てにするのは抱かれているときだけだ。
ただ、前にも“零さん”と呼んでいたから、あれは・・・気分か?