第66章 白無垢のモデル
しばらくして
「ありがとうございます」
カメラマンがモニターを確認する。
「……」
「どうですか?」
五条が聞く。
「綺麗です」
「ですよね」
「お二人ともすごく絵になります」
モニターには白無垢姿の私と隣に立つ五条。
整った二人の綺麗なツーショット。
確かに写真としては申し分ない。
けれどカメラマンは少し考えるように首を傾げた。
「……ただ」
「ただ?」
「何か一つ足りないんですよね」
「すごく綺麗なんですけど」
カメラマンが言う。
「綺麗すぎるというか……」
「……」
「完成されてはいるんですが、感情がもう一歩欲しい」
五条がその言葉を聞いて。
「あ、あります!奥の手」
「五条さん?」
五条がにやりと笑う。
「ちょっと待ってて」
「……?」
五条はスタジオの奥へ歩いていく。
そして数分後。
「……何で」
私は思わず声を失った。
そこにいたのは和装姿の脹相だった。
「……」
脹相も少し居心地が悪そうに立っている。
「五条」
「なに?」
「俺は聞いていない」
「サプラ〜イズ」
「……」
私は脹相を見つめる。
似合っている、ものすごく似合っている。
和装のせいでいつも以上に長身が際立って。
肩幅も広くて立っているだけで様になる。
「……」
胸がどくんと鳴る。
そして、次の瞬間、私は五条へ詰め寄った。