第17章 似た者同士
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「・・・うさん!お父さん!!」
声がした。
誰だ?看護師なら『関島さん』と呼ぶはずだ・・・
お父さん・・・?
「お父さん!」
ぎゅっと手を握る温かな感触。
しっとりとした柔らかい手のひらが、俺の右手を包みこんでいた。
なんだよ・・・
薄っすらと目を開けると、そこには、絵梨花がいた。
目に涙をいっぱい浮かべて、唇を噛んでいた。
ガバリと起き上がり、その拍子に胸にズキンと痛みが走る。
いっつ・・・
胸を押さえてうずくまった俺の背中を絵梨花が優しく撫でた。
「ば、馬鹿野郎・・・おめえ・・・な、なんでここにいるんだ!」
わかるわけがない。なのに、なんで?
そう思った時、俺の脳裏にひらめいたのは妹の顔だった。
「そ・・・うか・・・静江のやつ」
違うよ!
絵梨花が鋭く言った。
顔を上げると、目に溜まった涙がぼろりと流れているところだった。
「違うよ!静江おばさんには日本に私が来てから、お父さんの居場所を聞いただけ!」
「じゃあ・・・なんで?」
どうしてだ?完全に隠し通したはずだったのに・・・っ!
「何年、何年お父さんの娘やってると思ってるの!?
お父さん・・・嘘つくとまばたき増えるんだよ!」
馬鹿!
バカバカバカ!!
そう言いながら、俺の胸に顔を埋めて、絵梨花は泣きじゃくった。
その肩を、俺は、恐る恐る、そっと包み込むように抱く。
「大きく・・・なったな・・・」
嘘をついても、何をしても伝わってしまうのか・・・
自分より、相手のことを考えてしまう
考えれば、似た者同士じゃねえかよ・・・
それに、セリフまで、一緒ときてる
そんな、笑えて、泣ける茶番劇
これは、そうか、
神様が俺にくれた、
最後のキセキなんだろうな
俺の目からも、また、涙が落ちていった