第27章 アーダルベルトの悪魔 ヘルマンの天使
『ほら、早くやってみなよ。』
悪魔も俺の頭に乗っかりながら俺に言った。
しぶしぶ俺も合掌しながら頭の中でささやいた。
(我が妖精よ、出てこい)
出てこないと思う俺の思いに反して魔法陣の紙から煙が出てきた。
煙の中から出て来たのは、天使のような輪っかが頭の上に浮いていて、30センチくらいの白い軍服と軍帽を着た俺だった。
『て、天使?』
アーダルベルトがびっくりしたような声をあげた。
『悪魔じゃないんだな、俺の場合』
『天使はな、本当に優しい心を持ったものに現れるんだ。初めて見た。』
アーダルベルトは俺の天使をジーと見つめた。その時天使が赤面しながら言った。
『アーダルベルト様、そんなに見つめられて恥ずかしいです。』
ー次章へ続きますー