第27章 アーダルベルトの悪魔 ヘルマンの天使
『•••はっ!』
俺は目が覚めた。
とても嫌な夢を見た。警察官に犯されるという夢だ。とてもリアルな夢だった。
『あぁ 目覚めが悪い。そういえば今日は遊園地で話してた悪魔のことを教えてもらう日だったな。』
今日はアーダルベルトと悪魔のことを聞く日だった。急いで俺は軍服とコートを着ながらアーダルベルトの部屋に向かう。
コンコン•••ガチャ
俺はアーダルベルトの部屋のドアをノックしながら部屋に入った。
中には眼鏡をかけて本を読んでいた。だが俺がアーダルベルトに近づいた瞬間、眼鏡を外してしまった。
『なんで眼鏡を外すんだよ、アーダルベルト』
アーダルベルトは俺の質問に恥ずかしがりながら質問に答えた。
『眼鏡をかけてる俺はなんか似合わないような気がして。』
『何を言う!眼鏡をかけてるアーダルベルトも格好良くてよかったぞ!』
俺は考えるよりに先にアーダルベルトの発言に反論していた。だって本当に格好良かったからだ。
アーダルベルトは下を向いたが軍帽の影から赤面しているのが丸見えだった。可愛いやつめ。
『よ、よし。今日は悪魔のことについてだったな。まずお前にも召喚できるようにしなければならないな。』
アーダルベルトはそう言うとポケットから魔法陣みたいなものが書かれた紙を床に置いた。
『方法は簡単だ。頭の中で(我が妖精よ、出てこい)と言うだけだ。合掌したほうが成功しやすい。まず俺が出す。』
俺は半信半疑でアーダルベルトを見ていた。アーダルベルトは片目を開けてチラッと俺をみながら合掌した。
その時、魔法陣の紙から煙があがった。
徐々に煙がはれてくるとともに煙の中に何かがいるのが見えた。
•••悪魔のような尻尾があって•••黒い軍服と軍帽をかぶっていて•••それは•••アーダルベルトっ!
そこには尻尾が生えて黒い軍服を着た30センチくらいのちっちゃいアーダルベルトだった。
『なっ?お前もやってみろよ。』
アーダルベルトがさも当たり前のように言う。