第24章 デート 遊園地編
『ヘルマン、アントラー遊園地に着いたぞ』
アーダルベルトの声で俺はハッとした。
今日は前から約束していたアーダルベルトとのデートの日だった。
本当は嬉しい日だ。あいつらがいなければ•••
『こちらヘリコプター二号、ヘルマン隊員が乗った車は右から54番目の駐車場に泊まった模様。』
『こちら陸軍部隊、ヘルマン隊員とアーダルベルト殿がいちゃつく気配は無し』
オスヴァルトが基地の空軍、陸軍を使って俺たちを監視しに来ていたのだ。
『はぁ、あいつら』
『まぁ、面白いじゃねーか。それにたったあれだけの人数なら一時間で始末できる。』
しずんでいる俺を慰めているのかアーダルベルトは笑いながら背中をバンッと叩いた。
車から降りると俺たちはチケット売り場へ向かった。
それにつられ陸軍部隊、ざっと10万人くらいが後についてくる。当然市民は驚いた顔で固まっていた。
俺たちは固まっている市民をよけてチケット売り場の前に行った。
『いらっしゃいま•••せ•••?』
やはり受付員も固まってしまった。
『あの、後ろの軍隊は気にしないでください。ちょっとヘリコプターが20機くらい遊園地内に入りますがよろしいですか?』
俺はできるだけ優しく言った。言ったつもりだったが•••
『は、はい。なんでもよろしいですから命だけは助けてください。』
なぜか受付員は泣きながらチケットを出しシャッターを閉めてしまった。
『アーダルベルト!何かやったかッ?』
アーダルベルトは笑いながら質問に答えた。
『ただ小型拳銃で脅しただけだ。いろいろ面倒なことになりそうだったからな。』
俺はアーダルベルトが発言し終わったあと、軍服の襟を掴みながら園内に入った。