第17章 添い寝
『うぅー、寒い。これから寝ようとしたのに、こんなに寒いんじゃ眠れない。』
夜の11時。この地域は冬がとても寒いのだが、今日は一段と寒かった。黒い手袋をしていても指先が冷えた。
『チッ、薪がない。どうしよう•••』
薪で暖をとろうとしたが肝心の薪がなかった。
実際、暖をとる方法は思いついていた。
それは、誰かと一緒に寝てもらうことだった。
『やましい意味じゃ無いから大丈夫』
俺は自分に言い聞かせた。[ただ温めてもらうだけ]••••••駄目だ。なんか胸さわぎがする。
と言っても この寒さでは一睡もできないので添い寝してもらう相手はアーダルベルトにした。
確か今日はパラレルワールドから来てたから大丈夫だ。
しかも少し男前だから気になる。
そうと決まれば、アーダルベルトの部屋に直行だ。
•••コンコン
アーダルベルトの部屋の扉をノックする。すぐに返事が返って来た。
『誰だ』
『ヘルマンだ。』
ヘルマンだと答えた時には扉は開いていた。少し嬉しそうな顔だった。同時に(こいつをいじめたい)感情が顔に出ていた。
『何しに来た?』
アーダルベルトが表情を変えないで質問をしてきた。
ここは単刀直入でいったほうが言いな、と俺の第六感が悟った。