第14章 パラレルワールド
今日は平和な日だ。前の件でルッツたちは一日中 見張りの番だし、ルドルフとオスヴァルトは図書館に行っている。
『今日は静かに過ごせそうだな。水彩画でも書くか』
俺は独り言を言いながら、いすに腰掛けた。
しかし、すぐに静かな時は過ぎて行った。
部屋の前の廊下を走ってくる音が聞こえて来たのだ。
『ヘルマン!とても面白い遊びを見つけたぞ!』
走って来たのはオスヴァルトだったらしく、後からルドルフがフラフラしながらついてきた。
『なんだ?恥辱プレイならやらんぞ』
『恥辱プレイ?なんだそれは?そんなことよりすごいぞ!別の世界、パラレルワールドを見ることができる方法を見つけたんだ。』
俺は一瞬、恥辱プレイと言ったことを恥じたがすぐにパラレルワールドのことに頭がいっていた。
『そのパラレルワールドなどと言うものを見る準備はできるのか?』
『もちろん、でかい鏡を二つ用意するだけだ』
ルドルフによると、まず鏡を二つ鏡合わせにする。そして鏡合わせをしている真ん中に座って心の中で(パラレルワールド)と言えばいいらしい。
俺はそんな簡単なことでパラレルワールドが見れるとは思わなかったが一応やって見ることにした。
ルドルフが用意してくれた二つの鏡の間に座る
そして俺は言った。
『パラレルワールド!』
••••••何も起きない。
『何も起こらないじゃないか』
そう俺が言った途端、前の鏡が光りだした。
あまりの光に俺は目を細めた。
強い光の中で何かが見えた。何か人のようなものが俺に向かって飛んで来ていた。
そして俺は飛んできた人のようなものにぶつかった。