第2章 イかれた婚約者
さっきまで苛ついていた悟が、少し肩を落とした。
2人はソファに移動すると、向き合う様に座った。
すぐに昴が2人にお茶を出すと、椿は少しお茶を飲んで、ソーサーにカップを置くと、悟を見据えた。
悟は内心胸がドキドキしていた。
椿が怒っているのを、どんな風に宥めようか考えているからだ。
しかし、どんな言葉も、この目の前の黒い魔女を言いくるめる事は出来なさそうだ。
だけど、そんな悟の心配なんか気にする素振りもなく、目の前の女はいつもの能面のような顔を向けてきた。
「…結婚式の日を早めようと思うの?」
「は?」
椿の言葉に、悟は驚きのあまり声が漏れた。
「本当は18で結婚する予定だったのを、あなたが嫌がって見送ったじゃ無い。その結婚を今年の誕生日までにはしたいと思うの。」
淡々と自分の結婚式について語る椿に、悟は違和感しか感じない。
先日、他の女との情事を目撃されたばかりだった。