第9章 よくない変化
これからこの女はずっと自分に抱かれることになる。
椿を触れることが出来る男も、彼女が触れる男も自分だけだ。
そう思ったら体より胸の奥が熱くなり、少しの隙間さえ作らずに、彼女の体を抱き締めた。
何度も口付けを繰り返しながら、彼女の体に余すことなく唇を押し付けた。
椿は寝るのが苦手だった。
夢を見るのが嫌だから。
あまりにも眠れない時は悪夢を見ると分かっていても、睡眠薬を飲んでいた。
椿はベッドの上に体を投げ出した。
やっと終わった情事に、何度も荒い息を吐いて呼吸を整える。
悟と夜を迎えると、眠ることが苦手な椿でも、体が疲れていて、すぐに寝れそうだと思った。
悟はぼうっと、虚な目の椿に手を伸ばした。
汗で頬に張り付いていた髪の毛を、そっと耳にかけた。
椿は肩をビクッとさせて、隣で肩肘をついて自分を見下ろしている悟の顔を見上げた。
まだ求められているのだろうか。
そんなことを不安に思っている視線だった。