第8章 【最終章】未来の先、変わらないもの
夢主side
急な一也からの提案にびっくりして私は歩みを止めた。
一也も歩みを止め、まっすぐに向き直ると話を続けた。
「前から決めてたんだよ」
「、大学卒業したら結婚しよう」
そう言って一也は一度だけ視線を伏せると、
ゆっくりカバンへ手を伸ばした。
取り出した小さな箱を、
私の前で静かに開く。
その中にはあの日とは違う
小さな宝石の付いたリングが入っていた。
「これからも俺と一緒に歩んでくれないか」
一也のその言葉に
胸の奥で止まっていた時間が動き出した。
幼い頃の約束。
諦めたはずの夢。
両方とも一也が居なきゃ果たせなかった……。
私の気持ちとは裏腹に目から自然と涙がこぼれた。
嬉しくて。
幸せで。
私は涙を拭いながら、一也へ笑いかける。
「……喜んで」
声は震えてしまった。
それでも一也は、
いつもの少し照れくさそうな笑顔で笑い返してくれた。
そして私たちは繋いだ手を離すことなく、
また歩き始めた。