第2章 【第1章】進まない秒針
御幸side
2人が何を話してたのかなんて、
知りたくもねぇ。
けど――
……あの奥村の言葉にの顔。
何かあったのは確かだ。
「……追わなくていいのか?様子おかしかったろ」
……相変わらず、ムカつくぐらいよく見てる。
「今はいい」
そう答えたものの、
胸の奥はザワつく一方だった。
の一番の理解者は自分だと思っていた……
いや、そうありたいと思っていた。
「……知らねぇことだらけだな」
大きなため息の後、
誰にも聞かれないように言葉が零れた。
夢主side
この時間になると、
大体の子は夜食用のおにぎり作りをしに行ってる。
「どうぞ」
部屋の鍵を開けて、光舟くんを中に通す。
そして、鍵をかけた。
鍵の閉まった音に少し肩を揺らした光舟くん
「ごめん。誰にも話してないから。一応、ね」
「いえ、好都合です」
私達はベンチに向かい合うように座る。
お互いどう切り出すか悩んでいた。
けれど、先に口を開いたのは光舟くんだった。
「……すみませんでした」
唐突に頭を下げた。
「ちょっと待って、頭上げて!謝ることなんて何も――」
何もない。
そう言おうとした私の言葉に
顔を上げた光舟くんの言葉が重なる。
「会うつもり、なかったんです」
その言葉とは反比例するように
表情は少し悲しい顔をする。
「ただ噂が聞けたら、スタンドで一瞬でも姿が見れたら……それだけで」
「でも……嬉しかったです。さんがまだ野球に携わっていて」
光舟くんの口が一度閉じる。
私はポツリポツリと言葉を零す。
「……心配かけてごめんね」
「……正直ね、ここにいるとあの頃の事思い出す余裕なんてないくらい毎日忙しくて楽しいの」
どんなに辛くても、
私を信じて、支えてくれる人がいる。
「でも……それは忘れた訳じゃなくて。私の中でただ時間が止まってる部分があるだけ」
だから――
「光舟くんが気にする必要ないよ」
まっすぐ光舟くんを見る。
明確に線を引いたつもりだった。
しかし――
「俺にも、背負わせて貰えませんか」
光舟くんもまっすぐ私を見て続けた。
「もう、あの時みたいに何も出来ない子どもじゃないです」
その言葉は
とても重たく、どこか信念に近いものを感じた。
――コンコン