第4章 【第3章】譲れない場所
御幸side
……何を話しているのか
奥村が知ってるは何なのか
気になる事は山ほどある。
それでも俺はあの場を離れた。
無理に聞き出したい訳じゃない。
ただ――。
知らないままなのが、妙に落ち着かなかった。
俺は室内練習場へ向かい、
近くにいた東条にボール出しを頼むと、
余計な事を考えないようにひたすらバットを振り続けた。
「おうおう、怖い顔して振ってんなぁ、キャプテン」
不意に聞こえた声に、
俺はようやく顔を上げた。
ドアから顔を覗かせそう言った倉持に
ボール出しをしていた東条も気まずそうな顔をしていた。
……重症だな
「わりぃ。ちょっと外で頭冷やしてくるわ」
俺はそう言ってバットを下に持つと
ドアの方へ向かった。
「が来たら……すぐ戻るって伝えてくれ」
中を振り向く事なくそう言って、
ドアの外へ足を踏み出した。
ドアを閉めた瞬間、
モヤモヤしていた頭を冷たい空気が撫でていく。
「はぁ……」
大きなため息が出る。
「らしくねぇな。お前」
後ろから聞こえた声に振り向くと、
壁にもたれかかる倉持が呆れたようにこちらを見ていた。
「どうせ、の事だろ」
「……ッチ」
倉持の言葉に目線を逸らすと、軽く舌打ちをした。
……らしくねぇって事は自分がよく分かってる。
それでも――
「自分の知らないを知ってる奴がいるのがなんか気にくわねぇ……ただ、そんだけだよ」
沈黙が落ちる
倉持は数秒俺の顔を見ると――
「…………っぷは」
急に吹き出した。
不意に視線が倉持へ行く。
「お前、わかりやすすぎんだろ」
「はぁ?なにが――」
「そんくらいわかりやすい顔、に見せた事あんのかよ」
その言葉に少し動揺し、肩を揺らす。
……見せれるかよ
「……カッコ悪りぃだろうが……こんなツラ」
小さく呟く。
「お前がそんな事気にするタマかよ」
「うるせぇ……」