第2章 再会
「…あの」
「はい?」
「えっと…」
思わず呼び止めたけどなんて言おうかまとまってなかった。首をかしげて俺を見てる。
「またどこかで…お仕事することあるかもしれないですし、良かったら連絡先お渡ししてもいいですか?」
俺は何を言っているんだろうか。今日ほど人見知りを直したいと思った日はないかもしれない。
「交換しません?」
「…いいんですか?」
「もちろんです」
「あ、ありがとうございます」
メッセージアプリでお互いを追加した。
「ありがとうございます」
「いえ、こちらこそです…では、私行きますね!お仕事頑張ってください」
「はい、さんも頑張ってください」
「ありがとうございます!失礼します」
メイクルームから出る時、振り返って小さく手を振ってくれた。
その姿が本当にかわいくて。…たぶんだけど、好きなんだろうなって自覚した。
「失礼しまーす。始めても大丈夫ですか?」
「あ、はい」
戻ってこられた神様にメイクしてもらった。その日の収録はいつもより頑張れた気がした。