第1章 キミへ
……あれは何だろうか。
暗闇の中に2つある赤い、とても赤い、目?
どこか懐かしく、そして愛おしい。
「キミは誰?」
自然と言葉が出てくる。
『……。』
「ねぇ、やることないなら話そう。」
『……。』
「キミは澄んだ赤色の目を持ってる。綺麗だね。」
『……にも…。』
「え、何て言ったの?聞こえないよ……?」
『お前にもこの赤い目をくれてやろう。』
「……え?」
『どうやら、外に出るときが来たようだぞ。』
「キミは……何を言ってるの?」
『そのままだ。その代わり、この言葉を忘れるな。』
「え?何?意味がわからないよ…。」
赤い目をした××は少し間をあけて言った。
『すべてを、戻せ。』
すべてを、戻せ。この言葉を聞いた途端、意識が遠のいていった。