第3章 暫しの別離
そこからの2か月間はあっという間に過ぎ去った。
八条から始まり、結果、社内中に噂が広まった。
「えー!?初耳!…狙ってたのに!」
「らしいよ~、七海って確かパートナーだったよね」
「うわぁ、いいなぁ」
「え、でも今日からシンガポールって言ってなかった?」
「遠距離じゃん」
今日も今日とて。
オフィス(周囲)は騒がしい。
「八条さん。あなたのせいですからね。」
「なにがー???」
白々しい返事をする八条。
“いいじゃん、背中推してやったんだから”と、口をとんがらせながら笑う。
「まったく…。」
「…今日だな。」
「はい。」
そんな騒がしいオフィスに彼女が現れる。
「あ、おはよ~」
「はよ~、今日オフィス来る予定あったっけ?」
「おはようございます。」
相変わらず職場ではきっちりしている七海。
「ちょっと、所長に呼ばれてね。
あと、ついでに。これ。」
「ん?」
「渡しに来た。」
シンプルで、おしゃれな小さい小包を渡す。
「え、なに?」
急に姿勢を正す八条。
「約束してたもの」
「約束?何を…」
小包を開けてふと思い出す。
森川がホワイトボードを小さく指さして
小さくため息をつく。
「お互い独り立ちして3年やったけど…」
戦歴を眺める
「結果、私の負けかな?」
“ギリギリね”と、少しだけ意地悪そうに八条を見る。
小包を開けると、約束していたネクタイピン。
「おま、、、っ、はぁ、、、ばかじゃねーの!」
柄にもなくちょっとうるっとしてしまう。