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呼ぶ子

第4章 考察


1については、もしT先生の書籍の記述を信じるならばS子の母親が呼ぶ子沢でS子を呼んだのでしょう。しかし、T先生の本にもあるように、呼ぶためには『特殊な方法』が必要であり、それは本には記載されていなかったのです。

では、S子の母は一体誰からその方法を教わったのでしょうか?

この答えはおそらくひとつだと思っています。そう、T先生です。T先生は、自分も是非、呼ぶ子を見てみたい、と思っていた。なので、S子の母を唆そそのかしたのではないでしょうか?

では、2つめです。K子はなぜ12年以上経ってから死ぬことになったのか?もしかしたら、呼ぶ子の力が年とともに強くなる、などということがあるのかもしれませんが、T先生の本にそのような記述はなかったです。もう一つ考えられるのは、殺されるより早く、K子がS川の流域から離れたことで命を永らえた、という仮説です。これはありそうなことに思えました。

ただ、3つ目、を考えた時、ちょっと私に違う仮説が浮かんできてしまいました。

同窓会での話では、S子は泳ぎが上手ではなかったと言っていました。いつもプールの授業で居残りをさせられる子が、果たして自分から足のつかない淵に入るでしょうか?K子はいじめっ子だったというR子の言葉から察すると、もしかしたら無理やり淵に連れて行かれたのかもしれません。

そして、もし、この同窓会で初めて『S子が泳ぎが得意ではないこと』『K子がガキ大将だったこと』を知った『誰か』、がいたとしたら・・・。

呼ぶ子がK子にだけ怪異として姿を顕したこと、K子がガキ大将だったこと、S子が泳げなかったこと。

これらが組み合わさって、その『誰か』が、事件の真相に気づいたのかもしれません。

K子が、泳げないS子を無理やり淵に突き落とした・・・という真相を、です。

その真相を知って、K子を殺したいほど憎んだ人、それこそが、12年目に現れた、『呼ぶ子』の本当の正体ではないか・・・と。

ただ、関係者はすべて死んでしまいました。
もしかしたらT先生は知っているかもしれません。

私はこれ以上深入りするつもりは・・・ありません。
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