第9章 ふたりきりで
飲み物やお菓子などを買って、レンタルルームの一室に入る。
――本当に部屋みたい……。
大きなテレビに、ベッドのように大きいソファ。
「五条先生に保護者の同意をもらったんだ。僕らだけだと、そうしなきゃいけないみたい」
悟は"不純異性交遊"とか言ってたけど、ちゃんと同意してくれるところは優しくて好き。
――"青春"ってやつ?
ソファに倒れ込んで、顔を埋める。
――2人のデートなのに……憂太、全部してくれたんだ。
「何か見る?」
起き上がり、ぺたんと座ったまま憂太を手繰り寄せる。
憂太もソファに座り、私の前で笑った。
テレビでアプリを開きながら、「すぐしちゃう?」と笑って聞いてくる。
言葉とは裏腹に映画を探してる辺り、その気はないようだ。
「きゅんきゅんするやつ」
「え……どれがきゅんきゅんするんだろ……」
お腹に腕を回したまま、憂太の肩から画面を覗いた。
見たいと思っていたが、上映中に見に行けなかった映画のタイトルを言うと、すぐに検索してくれる。
少しえっちなシーンがあるけど、憂太と見れるならいいやと再生された映画を見始める。
「えっと……千景さん?このまま見るんですか?」
「このまま見ますよ、憂太さん」
憂太の背中に抱きついたまま離れなかった。
いつの間にか憂太はずり落ちて、胸に後頭部を乗せながら映画を見ていた。