第3章 約束の再会
気が付けば、練習は終わりに近づいていた。
片付けが始まり、
私は静かにその場を後にしようとした時――
「もう帰んのかよ」
背後から声がかかる。
振り返ると、そこには御幸がいた。
「うん、今日は見学だけだから」
そう答えると、御幸は少しだけ間を置いてから口を開いた。
「ここじゃあ、マネージャーも立派なチームのメンバーだ」
一歩、距離が近づく。
「また一緒に野球やれるな」
その言葉に、胸の奥がじんわり熱くなる。
もう戻れないと思っていた場所に、
手を伸ばされた。そんな気がした。
「一緒に甲子園行こぜ――今度は途中で居なくなんなよ」
御幸の目はとてもまっすぐだった。
昔みたいに軽い“約束”じゃない。
今の御幸が、本気で言ってるのが分かる。
私は一瞬だけ息を呑んで――
「……うん」
小さく、でも確かに頷いた。