第7章 約束の結末
「小野、心配かけたな」
「よかったよ、俺一人であのバケモン二人の世話は無理だ」
「誰がバケモンですか!!」
捕手同士の静かな会話から
沢村くんの乱入でいつもの空気に戻る。
その光景に、張っていたものがようやくほどける。
……よかった。
心の底からそう思った。
「ちょっと外の空気吸ってくるね」
一緒にいた唯ちゃん達に声をかけて
私は御幸たちのいる方と反対の扉から外へ出た。
風もない夜空を見上げる
そこにはいつも以上に星が浮かんでいるように見えた。
しかし、
心の中に思い浮かぶのは今日の試合のことだった。
ラストイニングのあの笑顔。
楽しそうだと思ったのも本当。
けれど、それ以上に
……羨ましい。
そう思ってしまった。
その場に一緒にいることのできない自分と
自然と比較してしまった。
「遠くに感じるな……」
気が付いたら、そうこぼれていた。
「何が遠いんだよ」
御幸side
ユキが食堂から出て行ったことにはすぐ気が付いた。
俺は沢村やほかの連中たちが落ち着くのを待って
後を追った。
階段の上で空を見上げている
ユキの背中はいつもより小さく見えた。
「遠くに感じる……」
ふいにそうつぶやいたユキ。
「何が遠いんだよ」
後ろから声をかけると、
ユキは驚いた顔で振り向いた。
「御幸……中にいなくていいの?」
少し動揺したような声で話をそらされた。
「別に。それよりも何が遠いんだよ」
ユキは少し口をつぐみ、うつむいた。
「話したくねぇなら無理には聞かねぇよ」
「でも、共犯なんだろ?俺らは」
その言葉にユキの肩が少し揺れた。
少し間をおいて
ユキはポツリポツリ話し始めた。
「今日の試合のラストイニング」
俺は静かに話を聞いた
「御幸が楽しそうな笑顔をしてたのを見て
昔一緒に練習してた時のこと思い出したの」