第3章 約束の再会
御幸side
朝練の後、いつもより教室が騒がしい気がした。
「御幸ー!お前はどっちだと思う?」
「あ?なにが?」
一足先に教室に着いていた倉持から話しかけられた。
「なんか、今日から転校生が来るらしいぞ」
「まじ?男かな?」
「いや、俺の予想は女子だな、ジュースかけようぜ」
ぶっちゃけどっちでもいい。
そう思っていたらHRのチャイムが鳴り、担任が教室に入ってきた。
「えー、知ってる人もいると思うが、今日からこのクラスに新しく仲間が増える。入れ」
「はい」
そう返事をして入ってきたのは女子だった。
ジュース奢りかよと思いつつ欠伸をしながら、
担任が黒板に書いた名前を見る。
一瞬、思考が止まる。
……まさか、そんなわけない。
一度だけ、視線を上げかけて――やめた。
夢主side
「前原ユキです。小学3年まではこっちの方にいたのですが
親の仕事の都合で去年まで神奈川に居ました。よろしくお願いします」
無事に挨拶を終えた私は誘導された席に着いた。
HRが終わると横の席の人に声をかけられた
「私、夏川唯!唯でいいよ!よろしくね!」
「唯ちゃん、よろしく!私もユキでいいよ!」
「うん!隣の席だし、なんか分からないこととかあったらいつでも聞いて!」
「ありがとう。じゃあ早速なんだけど――」
放課後、私は唯ちゃんに付き添ってもらい、
野球部のグラウンドへ向かう。
……未練がある訳じゃない。
ただ、見るだけ。
「まさか、ユキちゃんが野球経験者なんて思わなかったよ」
「私もまさか野球部のマネージャーとすぐ仲良くなれるなんて思ってなかったよ!本当にありがとう!」
そんな話をしていたら、ランニングを終えた選手達がグラウンドに集まっていた。
その中に、見覚えのある後ろ姿がいることに、
このときの私はまだ気づいていなかった。
御幸side
ランニングを終えて戻ると、
夏川と一緒にあいつがいた。
「御幸、あそこにいるの転校生じゃね?」
「そうみたいだな」
……なんで気が付かねぇんだよ
「どうした?機嫌悪いんか?」
「別に、いつも通り」
「……あっそ」