第7章 約束の結末
夢主side
「……くしゅん」
「大丈夫?風邪?」
不意にくしゃみが出た。
……そろそろ、御幸にバレた頃かな
「ごめんごめん、大丈夫だよ」
心配してくれた渡辺くんをよそ目にニヤけてしまった。
……いかんいかん、集中。
私は渡辺くんと次に戦うことになる相手の試合を観察しに来ていた。
勝ち上がるのは稲実。
だれもそれを疑ってなかった。
しかし、終盤に連れて雲行きが怪しくなった。
……鳴の顔つきがおかしい。
思い悩んでる…?いや、背負い込みすぎてるのか……
ラストイニング、
鳴は逆転のタイムリーを浴びて稲実が敗北した。
……行かないと。
このままじゃ鳴と戦えなくなるかも……
その不安が頭をよぎった。
「渡辺くん、ごめん。先帰ってていいから」
そういうと私は
試合をまとめたノートを渡辺くんに託して
稲実の控え室に向かった。
稲実の控え室前に着くと、ぞろぞろと選手達が出てくるのが見えた。
しかし、その中に鳴の姿はなかった。
……もしかして
私は誰もいなくなったはずの控え室へ静かに入った。
中には重苦しい空気と――
俯いてベンチに座ったままの鳴がいた。
「……鳴」
小さく声をかけると鳴はゆっくりこちらに視線を上げた
「あぁ、試合見に来てたんだ……どうしたの?笑いにでも来た?」
自虐的な笑顔に胸が苦しくなる。
「違うよ……様子おかしかったから、つい……」
「つい、でノコノコ男と2人っきりになっちゃダメだよ。一也にも心配されんじゃない?」
鳴は確かにこっちを見てるのに、視線が合わない。
「そんな事、話に来たわけじゃない。ほんとに大丈夫?」
「大丈夫……なわけないじゃん」
力なく笑う。けれどやはり目は笑ってない。
「背負い込みすぎてない……?」
私のその言葉に鳴の肩がビクッと反応した。