第7章 約束の結末
御幸side
甲子園へ行く
この約束は――
もう、俺たちだけのものじゃねぇ。
監督の思いも、OBの思いも。
……全部背負っていく。
今でもまぶたの裏に焼き付いているのは
――あの日のユキの泣き顔。
「もう、泣かさねえよ」
小さく息を吐き、俺は立ち上がった。
……あの場所へ。
数日後――
「秋の組み合わせ出たぞ」
「どれどれ……って、これ、お前……」
持って帰った組み合わせ表を見せると、全員表情が固まった。
「なんだよ……これは……」
「すげぇだろ」
……俺も自分で驚いた。
「強豪だらけじゃねぇか!!」
「いいじゃんか、燃えんだろ」
「良かねえよ!」
「初戦からこれって、マジかよ……」
誰かの呟きに、空気が沈む
――でも、
「ちょうどいいじゃねぇか」
俺は口を開いた
「どうせ――勝たなきゃ先はねぇんだ」
「ならここで、全部倒すだけだろ」
夢主side
御幸の言葉にみんなの士気が上がるのを感じた。
……だからこそ気が付いた。
熱の外側にいる彼らに。
その中でも――
1番視線を逸らしていたのは、渡辺くんだった。
……このままじゃダメな気がする
練習終わりに私は渡辺くんを呼んだ
「調子どう?」
「どうもこうも、別に……」
「そっか」
私が少し間を置くと、渡辺くんの方から口を開いた
「つーか何の用だよ、俺も暇じゃないから早く部屋戻りたいんだけど」
「ごめんね、けど」
「私の勘違いかもだけど、もしかして部活のこと悩んでない?」
私がそう聞くと
渡辺くんは一瞬肩を強張らせ、目線を逸らした。
否定はしなかった。
「御幸には言いにくいこと?」
少し沈黙があった。
しかし、俯いたまま渡辺くんは言った
「マネージャーに――こっちの気持ちなんてわかんねぇよ……」
……少し胸が痛んだ。
でも――
「そうだね、わかんないよ」
私は一呼吸おいて続けた
「でもね、私達も同じ試合を見て――同じことで悔しがってる」
少し顔を上げた渡辺くんはまだ苦い顔をしていた。
「私たちはこういう形でしか、チームに関われないから、やれる事をやってる」
「渡辺くんにもあるでしょ?チームのために、できること」