第7章 約束の結末
……ああ、やっぱりな。
驚きはしなかった。
「この試合も、それを聞いた先輩たちから監督に頼んだらしいぞ」
視線が自然と3年の先輩たちへ向かった。
さっきまで、ただ強いと思っていたプレーも
違って見えた。
「――お前がチームの道しるべになれ」
哲さんの言葉が頭で重なった。
……そういうことかよ。
小さく息を吐いた
「取るぞ、秋大」
そう言うと、一瞬で空気が変わった。
強ばる視線を受け止め続けた。
「秋大で優勝すれば、センバツ確定だ」
1歩、前へ出る
「――あの人を連れていくぞ」
さっきまで強ばっていた全員の目に火が入る。
……今やれる全力を出し切る
全員がその意識を持って挑んだ残りのイニング。
9回にゾノがホームランを打って同点になり、
14回までもつれ込んだこの試合は、
先輩達のサヨナラで幕を閉じた。
……負けた。
けど、下を向いてるやつは誰も居なかった。
夢主side
引退試合の日、私は偵察に行っていた。
走り書きのノートをまとめるために、スタッフルームで清書をしていたら、扉が開いた。
そこには、練習終わりの御幸がいた。
「直帰しなかったのかよ」
「うん。早めにデータあった方が良いかと思って」
「ふーん」
御幸は短く返事をすると隣に座って清書したノートから目を通し始めた。
無言の時間が流れた。
御幸から、どこか吹っ切れたような雰囲気がした。
「今日の引退試合、どうだった?」
「やっぱすげぇよ、あの人達」
「そっか」
御幸は少し息を飲むとノートから目を離すことなく話を続けた。
「監督がよ……」
「秋で区切るつもりらしい」
「えっ……」
驚いて清書していた手が止まった。
「それって……」
……もしかして、夏の事で責任を取って……
言葉に詰まって、続きの声は出なかった。
が、御幸の声も表情もどこか落ち着いていた。
……今は、そこに踏み込むべきじゃない。
私は小さく息を吐くと再び手を動かした。
「私にできることはこれくらいしかないから……」
一瞬手を止めて御幸を見る
「ちゃんと、活かしてよね」
「……任せとけ」