第7章 約束の結末
御幸side
ユキに握られた手の温もりに視線が落ちる。
「やっぱり向いてねぇな、キャプテン……」
不意に、こぼすつもりのなかった愚痴が零れた。
少しの沈黙――
その空気を破ったのは、ユキの声だった。
「……え、今更?」
少し呆れたように笑うユキ。
「御幸、自分で気がついてないかもだけど……」
そう言って、まっすぐな視線と目が会った。
「ちゃんと引っ張ってるよ、チームのこと」
空気が変わった。
「プレーだけじゃなくてさ、人の得意不得意ちゃんと見てるじゃん」
「ああいうの、なかなかできる人居ないよ」
少し苦笑いを浮かべ
「まぁ、言い方は……ちょっと、あれだけど」
「けど、それも含めて御幸だって皆わかってるし」
握られていた手に少し力がこもる
「だから御幸も、周りをもっと頼っていいんじゃない?」
「……うるせぇ」
……言われなくても分かってる。
でも――
「……ありがとな」
そう言って、ユキの手を握り返した。
握り返した手の温もりが、
俺の肩の力を抜いてくれた。そんな気がした。
夢主side
あれ以降、御幸は
「ゾノ、倉持、ちょっといいか」
練習終わりに副キャプテン2人を呼び、話し合いをしている姿を見る事が増えた。
時折、言い合いになってる事もあるみたいだけど、
3年の先輩達も通った道だと貴子先輩に聞いた。
ふと、あの日の事思い出す
――「周りをもっと頼っていいんじゃない?」
その時に比べれば
……少しは、マシな顔になってきた。
まだどこかぎこちなさが残る背中。
だからこそ、支えたい――
「よし、今日は……」
秋の大会で当たる可能性のあるチームのデータをまとめる。
次は負けないために。