【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第20章 沖縄×任務×A班
⬛︎1件目
「いた!アイツだ……!」
伏黒の声が響く。
沖縄市内の住宅街。
事故現場付近に張られた帳の中。
道路標識の上に張り付くようにして、一体の三級呪霊がいた。
全身が歪んだ人型。
異様に長い腕。
そして興奮したように震える眼球。
周囲には黒い呪力が煙のように漂っている。
「リン!狙え!」
「は、はいっ……!」
リンが駆け出した。
手には短剣。
震える足を必死に前へ出す。
やれる。
大丈夫。
何度も練習した。
先生にも教わった。
伏黒先輩もいる。
だから――。
「っ……!」
跳躍。
呪霊の懐へ飛び込む。
短剣を握る手に力が入る。
あと少し。
あと少しで届く。
祓える。
そう思った瞬間だった。
呪霊の顔が見えた。
苦しそうに歪んだ顔。
人間のような目。
その瞬間。
鈴の身体が強張る。
そして。
ぎゅっと目を閉じた。
「――っ!」
刃が止まる。
ほんの一瞬。
だが戦闘では致命的だった。
呪霊の腕が振り上がる。
「あ、おい!!」
伏黒が飛び出す。
間に合わない。
そう思った瞬間――
「目は閉じたらだめだよ。」
声がした。
次の瞬間。
ぶおんっ!!
空気を裂く轟音。
リンの横を巨大な薙刀が通り抜ける。
一閃。
呪霊の身体が真っ二つになった。
「ギャァァァァァッ!!」
断末魔。
そして。
黒い霧となって消滅する。
静寂。
リンは呆然と立ち尽くしていた。
その前に。
薙刀を地面に突き立てたが立っている。
「先生……」
リンの声は小さい。
は振り返る。
怒ってはいない。
ただ少しだけ真剣な表情だった。
「怖いのは分かる。」
優しい声。
「でも。」
リンの目を見る。
「戦闘中は、目を閉じないこと。」
「……。」
リンは俯いた。
短剣を握る手が震えている。
「すみません……」
「謝らなくていい。」
はしゃがみ込む。
視線を合わせる。
「今回できなかったなら。」
にこりと笑う。
「次、できるようになればいい。」
「先生……」
「ほら。」
立ち上がる。