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【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)

第16章 海×陸


「ほら、行くぞ」

「こんなのさっさと終わらせる」

その背中は、さっきまでより少しだけ大きく見えた。






廃ビルの外。

崩れかけたコンクリートの建物を見上げながら、伏黒と私は並んで立っていた。

中からはまだ何の音も聞こえない。

「大丈夫ですかね。」

廃ビルの外で待機している伏黒と。

「うーん…どうだろう。」

苦笑いのまま、視線を上へ逸らした。

「三級呪霊だから、潮くんがいれば大丈夫だとは思うんだけど」

少し間を置く。

「鈴ちゃんの方は……どうかなぁ……」

言いながら、無意識に一歩踏み出しそうになる。

「あぁ……やっぱり見に行こうかな……」

「いや、だめだよね……」

「いやでも……」

「でも……」

自分で自分の言葉に迷っていると、

ふ、と伏黒が小さく笑った。

「心配しすぎですよ」

その一言に、私は思わず視線を向ける。

伏黒は変わらず落ち着いた表情のままだった。

「何かあったら、俺が行きますから」

その言葉は淡々としているのに、不思議と重みがある。

私は一瞬ぽかんとして、それから肩の力を抜いた。

「……そうだね。心強いよ~~~…。。」

風が廃ビルの隙間を抜けていった。

「最近はどう?」

私は話題を変えるように聞く。

伏黒は少しだけ目を細める。

「普通です」

「普通が一番だよ」

「そうですね」

短いやり取り。

「そういえば、もうすぐ交流会もあるし。」

「あぁ、そうでしたね。」

「今年はどうなるかなぁ~・・・・・」

いつも通りの会話。

ふと、空を見上げた。

針金のように伸びた電線の向こうに、淡い春の空が広がっている。

雲は薄く、どこか頼りなくて。

それでもちゃんと、上に続いていた。

伏黒も同じように、視線を空へ向けているのが分かった。

春の空は、穏やかだった。
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