• テキストサイズ

【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)

第10章 original


それから、2日ほどが過ぎた。

12月28日。

外は静かに雪が降っていた。

山奥の景色はすっかり白く染まり、吐く息も淡く空気へ溶けていく。

そんな中。

は夏油をそっと家の外へ呼び出していた。

雪を踏む音だけが、静かな庭へ響く。

少しだけ言葉を迷うように視線を伏せてから、静かに口を開いた。

「……少し、話があって……」

夏油は穏やかな表情のまま、続きを待っている。

小さく息を吸った。

「私……そろそろ戻らないと……」

雪が肩へ落ちる。

「連絡も、できていないし……」

その言葉に、夏油は少しだけ目を細めた。

夏油「戻りたいかい?

ハヤミとヒナタは、君に残ってほしいと思っていると思うけど」

優しい声音だった。

責めるわけでも、引き止めるわけでもない。

ただ、本心を確認するみたいに。

は少しだけ寂しそうに笑った。

「……私も、離れるのはさみしいです」

雪景色の向こうを見つめながら、ぽつりと続ける。

「けど、生きているってわかった以上、それ以上の幸せはないです」

10年間、失ったと思っていた存在。

もう二度と会えないと思っていた人たち。

それが、こうして目の前にいる。

それだけで充分幸せだった。

そっと、自分の胸元へ触れる。

ヒナタにもらった指輪。

ハヤミにもらったネックレス。

どちらもまだ、温もりを残している気がした。

「私は、二人も大事だけど……

私を大事にしてくれた人たちも、大事にしたい。

だから……」

最後まで言い切らなくても、意味は伝わっていた。

夏油は静かに見つめる。

やがて、小さく笑った。

夏油「そうか。

君がそう言うなら、仕方ないね」

その声音には、どこか諦めにも似た優しさが混ざっていた。

そして夏油は、軽く首を傾げる。

夏油「今夜にでも発つかい?」

ほっとしたように目を細める。

「……夏油さん、ありがとうございます。本当に……」

そう言って、小さくお辞儀をする。

それから、雪を踏みしめながら家の中へ戻っていった。

その後ろ姿を、夏油は静かに見送る。

白い息が、ゆっくり空へ溶けた。
/ 250ページ  
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:なごんだエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白い
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp