【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第8章 春夏秋「冬-2」
~ ×五条悟 ~
五条「どーーーなってんの、補助監督さん~?」
「五条さん」
五条「先生が要保護対象になって帰ってきてどーすんの~?」
ケラケラと笑う声。
いつもの軽薄そうな調子。
五条「で? 目は」
少しだけ声が落ちる。
五条「まだ見えないまま?」
「はい・・・家入さんにみせたけど、だめでした」
五条「ふぅん……」
短い返事。
それから少し間を置いて、五条は続けた。
五条「それで? 傑はなんて?」
湯呑みを持ち直しながら、ぽつりぽつりと話し始めた。
結界の中で起きたこと。
最後に現れた夏油。
刻まれた呪印。
そして——
『君は自ら私に会いに来るよ』
そこまで口にした瞬間。
ふっと、部屋から音が消えた。
さっきまで軽口を叩いていた五条が、何も言わない。
「……五条さん?」
返事はない。
暖房の駆動音だけが、やけに耳につく。
「……あれ、聞いてます?」
急に不安になって、そっと呪力を広げようとした。
暗闇の中で位置を探るように。
その瞬間。
五条「——はい、ストーーップ」
すぐ近くで声が落ちてきた。
びくり、と肩が揺れる。
五条「それ、禁止ね」
軽い口調。
なのに、有無を言わせない声だった。
五条「その話聞く限り、アイツは間違いなくちゃん探しに来るし」
静かな声が続く。
五条「拉致られる可能性も、まぁ、なきにしもあらず」
冗談めかした言い方なのに、笑っていない。
「え、っと、でも、私……見えなくて」
五条「だから呪力で位置確認したくなるのも分かる。けど、それって君が探せるだけじゃなくて、“そこにいる”って相手にもバレるってことだからね?」
言葉が静かに落ちてくる。
今まで、自分は“探している側”だと思っていた。
けれど同時に、自分自身の存在も晒している。
そんな感覚、考えたこともなかった。
俯いた蘆屋に、五条は小さく息を吐く。
それから、ぽん、と軽く頭に手を置いた。
五条「これからは、誰かしら必ず一緒にいさせるから」
その手の熱だけが、冬の冷えた空気の中でやけに温かい。
五条「安心しな。ちゃんと守るよ」
その言葉に、蘆屋は少しだけ眉を下げた。