【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第7章 春夏秋「冬-1」
伏黒「……アイツのせいか。」
低い声だった。
けれど蘆屋自身は、不思議なくらい落ち着いていた。
少し瞬きをしたあと、小さく息を吐く。
「……あぁ。」
そこでようやく、自分の異変に気づいたみたいに呟く。
「……見えない」
その瞬間。
虎杖がすごい勢いで駆け寄ってきた。
虎杖「大丈夫か!?」
釘崎も後ろから駆けてくる。
蘆屋は声の方向へ顔を向けた。
「……虎杖くん?虎杖くんたちは大丈夫?」
その言葉に、虎杖の顔色が変わる。
釘崎は蘆屋の顔を見た瞬間、息を呑む。
釘崎「っ、ちょ……!」
目元に浮かぶ黒い紋様。
光を失った瞳。
釘崎は思わず声を上げた。
釘崎「いや、いや、先生の方が大丈夫じゃないでしょ!!」
蘆屋は苦笑する。
「目が見えないだけで、それ以外は問題ないよ。」
虎・釘「いや大問題じゃん!!!」
虎杖と釘崎のツッコミが綺麗に重なった。
一瞬だけ空気が緩む。
蘆屋はその声に少しだけ安心したように笑ったあと、
不意に気づく。
……まだ伏黒に抱えられている。
少しだけ頬を赤くした。
「……ふ、伏黒くん。」
伏黒「なんですか。」
「えっと・・・そろそろ……おろして……。」
伏黒は一瞬きょとんとしたあと、真顔で言った。
伏黒「いや、見えてないんだから、このままで大丈夫です。危ないので。」
即答だった。
蘆屋が「うっ、」と小さく固まる。
釘崎がじとっとした目で伏黒を見る。
伏黒だけが至って真面目だった。
伏黒「段差とかあるかもしれないんで。」
「……。」
何か言い返そうとして、結局諦めたみたいに小さく息を吐く。
その様子を見ながら、伏黒はしっかりと抱え直した。
そのあとは、結局任務帰りの伊地知が迎えに来ることになった。
車の中は賑やかだった。
その中で心中穏やかじゃない男が1人。
伏黒(・・・・あの男。五条先生の親友って言ってたか。)