第5章 解れる境界線
"早め"って、何時くらいだろうか……玄関の鍵が解錠される音に耳を澄ませていた。
トマトを切っていると、その音が響く。
慌てて玄関に走り、扉を閉めた宗四郎様に飛びついた。
「ぅおっ?!……ふっ、なんや今日は激しいな」
久しぶりの家での宗四郎様。
婚約者だと言ってくれた宗四郎様。
今日は嬉しくて堪らない。
「おかえりなさい!」
「ん、ただいま。紫音」
髪に顔を埋めて、優しくその腕で包み込んでくれる。
脇腹にあった手が滑り、お尻を撫でた。
そのまま指が割れ目をなぞり、下りていく。
「んっ……宗四郎様?」
「可愛ええ声。もっと聞かして……」
宗四郎様の指が股をふにふにと何度も押す。
"嫌だったら殴って"と言われたが、そんなこと出来るはずもない。
僅かに漏れた甘い声は、少しずつ増えていく。
恥ずかしいと思うし、私と宗四郎様の気持ちは違う。
なのに、止められなかった。