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その距離、反則につき。【ドラコ夢】

第1章 Lesson0 Too Close to Be Safe


 ヴォルデモートを倒した日から、ようやく一週間が経った。ダンブルドアの墓の隣には新たに大きな石碑が造られ、そこには第二次ヴォルデモート戦争で亡くなった人の名前が細かく刻まれていた。
 ……あの戦争を、二度と忘れないために。

 刻まれた無数の名前、刻まれた無数の傷。どんな魔法を使っても、元通りになんてならない。しかし、残酷にも時間だけが何にも邪魔されず刻々と過ぎて行った。


 渦中の人であるハリー・ポッターは、キングズリー・シャックルボルトの家に身を寄せていた。
 保護という名目もあったが、実際にはそれ以上の意味があった。英雄となった少年を、今はまだ人目から遠ざける必要があったのだ。
 魔法省は再編の最中で、秩序は不安定。誰が味方で、誰がまだ闇に染まっているのか、完全には判別できないのが現状だった。

 与えられた静かな部屋の中で、ハリーは静かに目を閉じた。そうする度に、ダンブルドアの最期の姿が浮かぶ。同時にスネイプの姿も……。
 勝ったはずなのに、胸の奥には奇妙な空洞が広がっていた。


 一方、ロン・ウィーズリーは実家に戻っていた。家族を失った家は、以前と同じようでいて、どこか歪んでいた。
 笑い声はある。食卓も囲む。けれど、その中に「一人分の空白」が、どうしても埋まらない。
 刻々と時間が過ぎていく中、フレッド・ウィーズリーの葬儀の準備が進んでいた。

 誰も口には出さなかったが、あの双子の片割れがいない現実は、あまりにも重かった。
 ジョークも、悪ふざけも、どこか無理に作られたもののようで、長くは続かない。

 ロンは何度もポケットの中で火消しライターを握りしめた。心に灯るものが怒りなのか、悲しみなのか、それすら分からないまま――。

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