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かるら怪談

第30章 よもつへぐい


☆☆☆
3年前の冬。俺はAとBという二人の親友と一緒に冬山に登ることにした。もともと俺たちは同じ大学出身で、山岳サークルの仲間だった。気が合って、卒業後もこうしてよく一緒に山に登っていた。

冬の登山は計画をしっかり立てることが大事だ。何度も集まって、俺たちは綿密な計画を練った。装備品もしっかり点検した。なにも、2千m級の山に登ろうというわけではない。もっと平易な山だったのだが、低い山だから安全なわけではないのだ。

そして、その日が来た。入念な準備をして、天気予報を確かめていったにもかかわらず、頂上近くで吹雪いてきてしまった。若干の躊躇が命取りだった。気がつくと一面が真っ白に染まり、俺たちはロストしてしまった。目標としていた山小屋の位置はおろか、それがどちらの方角にあるかもわからなくなってしまったのだ。

「おい!あれを見ろ」

はぐれないように必死に進んでいる中で、Aが叫ぶ。指差した方向を見ると、岸壁にくぼみがあった。こういうときはあまりジタバタしないのが定石だ。俺たちはとりあえずそこに避難することにした。

近づいてみると、幸いなことにくぼみというよりも洞窟に近かった。少し奥まで進めばだいぶ吹雪を凌ぐことができた。食料は予備も含めてだいぶ持ってきている。このとき俺達は吹雪がすぐに止み、山を降りることができると信じていた。
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