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かるら怪談

第29章 自殺の名所


再び、「何故、俺がこんなところでカップルの記念写真を撮らねばならないんだ」という思いがこみあげてきたが、そこは彼女がいないことを僻んでいると思われたくもないので、ぐっとこらえ、彼らのスマホで1枚ずつ、俺のスマホでも念のため(何の念だか知らんが)一枚撮った。

まあ、写真を撮ったらこんなところ、特に他に見るものもない。俺は柵を手で揺すったりして造作を確かめたりしていたがすぐに飽きてしまった。

そんな時、急にB子が小さな悲鳴を上げた。どうしたどうしたとAが駆け寄るが、B子は辺りをキョロキョロ見回しなんだか挙動がおかしい。Aが何か言っていたがそれには何も答えず、、とにかく早く帰ろう言い出したのだ。

なんだろう?トイレか?と不審に思いつつも、結局、俺たちはB子に従い早々にその場を引き上げることにした。帰りの車の中、ひとりだけ機嫌よくビールを飲んでいるAとは裏腹に若干B子が沈みがちなのが気になったが、その日は特にそれ以外に変わったことがあったわけではなかった。
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