第1章 【GS1】1章_姫条まどか 愛おしいほどに
姫条side
放課後、教室で美奈子の姿を見つけて声をかける。
「美奈子!今日一緒に帰ろうや。ほんで、カフェでも寄らへん?」
期待を込めて誘ったものの、彼女は困ったように眉を下げた。
夢主「ごめん!今日ちょっと用事があって……本当にごめんね!!」
姫条「おう……。ほな、また明日な!」
努めて明るく手を振ったが、遠ざかっていく背中を見送る胸のうちはモヤモヤでいっぱいだ。
(最近、一緒に帰るのも断られてばっかりやし、この間なんてデートもあかんかった。
……俺、なんか気に障ることしてしもたかなぁ。はぁ……。
溜息をついても始まらへん。)
気分転換に、どこか寄り道でもして帰ることにした。
当てもなく散歩していると、いつの間にか教会の近くまで来てしまった。
(静かな空気がかえって寂しさを煽るわ)
なんて考えていると――。
「あれ……教会の裏におるのって、美奈子と葉月!?」
思わず植え込みの陰に隠れる。
(こんなとこで二人、何してんねん)
夢主「葉月くん、今日うち来る?」
葉月「え、いいのか?」
夢主「うん。今日、誰もいないの。だから……どうかなって思って」
葉月「……じゃあ、お邪魔させてもらうよ」
夢主「へへへっ、嬉しい!」
耳を疑った。
(誰も居らん家に誘うって……それ、どういうことやねん!?)
「はぁああ!? あいつら、付き合ってんのか……!?」
目の前が真っ暗になった。
(俺に用事があるって言うてたん、これのことやったんか……。)