第2章 壱 かぶき町
桜の舞う季節、かぶき町もあちこちで綺麗な花弁が舞い、人は皆受かれた雰囲気で街を歩いている。
そんな中一人の女は、疲れた目で春風に舞い上がる薄ら紅を眺めていた。
涼花は、かぶき町に兄を探しに来て、早一週間が経っていた。名前は大概誰でも知っているが宛てとなると全く見つからない。
涼花" もう一週間か……こうも手掛かりがないと、精神的にも嫌になってくるな……"
そんなとき、ふと近くの電柱に目をやると、おかしな張り紙が張ってあった。
"何でも屋、よろず屋銀ちゃん!どんな仕事も引き受けます!!!"
それを見た涼花は、張り紙を破り、記入された住所に向かってあるきだした。