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俺の推しの娘☆

第1章 レンズ越しの体温 【ヒロアカ 轟焦凍×モデル】


「おい、轟! 待ってたぜ!」


数日後。
前回の居酒屋へ再び呼び出された轟を待っていたのは、デジャヴを感じる上鳴達三匹のハイエナだった。
席に着くか着かないかのうちに、上鳴が鼻息荒く身を乗り出す。


「で!? どうだったんだよ、先日の決戦は!」


「……どう、とは。普通に食事をして、普通に解散しただけだ」


轟が淡々と答えると一瞬、沈黙が流れた。
三人が顔を見合わせ、それから爆発したように喚き散らす。


「それだけ!? 嘘だろ、あんなに準備して!? その後、どっか寄ったりしなかったのかよ!」


「……時間も遅かったからな。パパラッチの目もある。店内で別れて、時間差で帰宅した」


切島が頭を抱え、瀬呂が天を仰ぐ。
上鳴に至っては、もはや泣きそうな顔で轟を指差した。


「お前……お持ち帰りしなかったのかよ!」


「……何をだ?」


轟の微塵の曇りもない問い返しに、三人は絶句した。


「何をって……そりゃあ、お前……! 彼女をだよ! そのままホテルとかさぁ!!」


「……なぜホテルに?」


「誘わないのかよ!!」


上鳴の叫びが店内に響く。


「いいか轟。あんな、ほぼ全裸で密着するような際どい撮影したんだぞ!? 撮影中だって、絶対変な感じになっただろ! 男なら、あんな美人に抱きつかれて『抱きたい』ってならねぇのかよ!」


切島までもが拳を握って熱弁を振るう。


「そうだぜ。世間じゃ『抱かれたい』だのなんだの騒がれてるけどよ、あの状況で理性を保てる方がおかしいんだって!」


「…………」


轟は、冷えたグラスを見つめたまま固まった。
脳裏をよぎるのは、撮影中の彼女の柔らかな肌の感触と、別れ際のサングラス越しに向けられたあの甘い眼差し。


(抱きたい、か……)


言われてみればあの時感じた腹の底の熱は、単なる緊張や高揚ではなかったのかもしれない。
自分の中にあったはずのその感情に名前をつけられ、今更になって猛烈な熱が顔に昇ってくる。


「……そもそも、彼女はプロだ。そんな失礼なこと、できるわけないだろう」


「硬い! 硬すぎるぞ、ショート!!」


上鳴の嘆きをBGMに、轟は必死にポーカーフェイスを保とうとした。


だが、真っ赤になった耳までは隠しきれず、結局、閉店まで男の甲斐性についての講義を聞かされる羽目になった。




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