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後宮は恋愛する暇はありません!なのに皇帝がやたら近い件!

第5章 琳 後編


「モタモタしてんじゃないよ!しっかり仕事しないと飯抜きだからね!」

 
時々怒号が飛ぶ。

洗濯をしていると

 
「琳!桃児!こっち来な!」

 
と、監督女官に呼ばれ、私たちは洗い場から急いで、濡れてを前掛けの裾で手を拭きながら、監督女官の所へ行った。

監督女官は極めて慎重に私には白や銀糸で縁どったほかの洗濯物とは明らかに質が違う洗濯物を恭しく手渡してきた。
桃児は青や白銀の縁取りがされた衣だ。

桃児が、震える手で受け取る。

素材から見て、位の高い人の衣だろう。

監督女官が神妙な面持ちで言った。

 
「青龍妃様と白虎妃様の衣だ。素早く、丁寧に洗いな!汚れ残しなどありえないからね!あと、間違っても傷つけるんじゃないよ!そうなったら、棒叩きじゃすまないからね!手首のひとつ無くなる覚悟で洗いな!」

 
監督女官はしっしと追いやるように手を振った。

 
「うわぁ…四妃様の衣なんて初めて触るよ。阿琳、怖いよー」
 
持った衣を震える手で運びながら、桃児が緊張した面持ちで言った。

四妃とは青龍妃・朱雀妃・玄武妃・白虎妃と、四神になぞらえた、皇后のしたの位の高級妃だ。

 
「気をつけて洗おう」

 
私は元気づける様に桃児に言うと、二人で特別洗い場に向かった。
洗い場は皇后の衣を洗う場所と、四妃の衣を洗う場所、ほかの上級妃の衣を洗う場所、中級妃、下級妃、そして女官長の衣を洗う場と、それ以下の階級のものが現れる場所と区分けされていた。
もちろん、桶も洗剤となる薬剤も階級事に使う物が違う。
私達は四妃の洗い場に向かった。

自分事や、他のことはまだ完全に把握しきれてないが、"琳"になってから、この世界の大まかなことはそれとなく桃児に聞いて把握した。

このまずこの国は蒼煌帝国。
蒼い麒麟の末裔が皇帝となり、今の蒼麟帝は12代皇帝である。
それから皇后、四妃、上級妃から中級妃、下級妃と女官や下女たちを合わせたら1200~300はいるだろう。
桃児の話を聞きながら、"琳"の知識も少しずつ流れてきていた。

私は白虎妃の衣を洗い、桃児は青龍妃の衣を丁寧かつ慎重に洗っていた。
そんな時、ちょっとした事件が起こる。

ピリ…

小さな音が隣の桶の方から聞こえた。
見ると、桃児が真っ青になっている。
桃児の広げた衣の裾が、少しだけほつれていた。
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