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磯撫デ

第3章 ふたつ目のお話「足を引く怪」


☆☆☆
もちろん、中居のAさんがこういう感じで語ったわけではなく、彼女が言ったのは、『I島に伝わる風習』『そこで禁止されている日に泳いだ学生がいた』『その内ひとりが行方不明、もうひとりは記憶が混乱していたらしい』ということだった。上記のごとく書き下したのはひとえにK実のジャーナリストとしてのサービス精神というか、もっと言えば虚構だ。

実際、『友人の足に幾重にも絡みついた黒い手、崩れ落ちそうなほど腐った人の顔。何かが友人を悪意を持って引き込もうとしていた』ってところは?と尋ねたところ、「その方が迫力があるでしょう?」と悪びれもなく言っていた。

「でもね、この『目を土で塗り潰したザル』ってのは意味深でさ、多分、『目を潰す』、見ていないですよ、私達は、ってことだと思うんだよね。要は、見ること自体を禁止している何らかの怪異があるってこと」

ちなみに、Aが言うには、その大学生は海を極端に恐れるようになった、という。

「明日は公民館と村役場、それから鈴本さんの家に行ってみるつもり」
その日のK実との通話はそこで切れた。
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