かぐや姫だって幸せになりたい!!【銀魂 坂田銀時】
第3章 彼はかぐや姫に幸せになってほしかった
病室で目を覚ました銀時の頬を、一筋の涙が伝った。
「……あいつ、そんな思いまでして……」
一千年前、自分が最後に見せた「嘘の笑顔」を信じて彼女は待ち続けていた。
そして今、彼女は再び月の奥底に閉じ込められている。
「……勝手にお伽話にされて……。ふざけんじゃねーよ」
銀時は握りしめた簪を強く、折れんばかりに握り締めた。
「……これも、俺が渡した形見だったんじゃねーか。あいつ、一千年も……俺の骨を抱えてたようなもんだったんだな」
銀時は自嘲気味に笑った。
彼女がいつも二本の簪を大切に挿していた理由。
なぜ、あの日、泣きながらその片割れを自分に託したのか。
すべてが一本の線で繋がった。
「……一千年前の俺は、これ二本残して死にやがった。……今の俺は、これ一本持って、あいつを奪い返しに行く」
銀時は立ち上がり、棚に置かれていた自分の着物に袖を通した。
傍らには、将軍から返されたあの羽衣。
そして掌には、の体温が染み付いたような一本の簪。
「お伽話は、ハッピーエンドで終わらせるのが定石だろ。……今度は俺が、その結末を書き換えてやる」
銀色の侍が、ついに立ち上がる。
一千年前の「嘘」を「真実」に変えるためにーー。